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ねがい星のかなた

夏の夜空は、この町からはよく見えない。そんなに空気がキレイなわけでも、街灯の数が少なくて、明るいわけでもない。そんな、都会とも田舎ともいえないこの町の、真っ黒な煤けた古いビル、そこで、僕らは働いている。夜になると、そのビルは闇に溶け込んでしまって、まるでカメレオンのように消えてしまう。街灯があるのに、それでも照らしきれないほどの黒。今、僕が見下ろしている町よりも、ずっとずっと暗い。足を踏み出せば、...

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1話 便りは赤い屋根の下より

太陽を消すスイッチがあって空の上には干渉者がいて果てのない草原は 果てのない夢を赤と偽善 1話便りは赤い屋根の下よりそれは、ほんの少しだけ昔の話。雲ひとつ無い晴天の夜空の下に、弾んだ幼い声が響き渡った。「もし、この世界に太陽の光を切れるスイッチがあってさ」もったいぶった様にそう言ったのは、黄金色に輝く髪をした少年。大抵のヒトより長く伸ばされたその髪は、後ろでひとつに纏められていた。「それを僕らが切...

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暗明灯 上

外は曇天。雨の匂いがしている風が、頬をなでて飛び去っていった。「シイアさん、そろそろ」窓の外を眺めていた青年に、部下が声をかける。青年、シイアは小さく頷いて、そうだな、と言った。「……雨が降るな」「え? ……ええ、そうですね、早く帰らないと濡れそうですね」話題を振られたと思った部下は、慌てて話を合わせるが、シイアはぼうっとしたように言葉を続けただけだった。そこでやっと、それが独り言だと、部下の彼は気づ...

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4話 見えない瞳と見える赤

青い彼岸花 4話見えない瞳と見える赤家のドアを開けると、母さんの焼いたクッキーの甘い匂いがした。とたとたと、妹がかけてくる音がする。「ただいまー」「おかえり、お兄ちゃん!」両手を広げて、ボクのお腹に顔を埋めた妹が、ぎゅっと抱きしめてくるので、ボクもただいま、と笑って抱きあげた。嬉しそうな声が、ボクの腕の先から聞こえた。「母さんは? キッチン?」「うん! 今日はね、チョコチップクッキーなの!」「へえ...

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3話 はじめまして、サンサーラ

青い彼岸花 3話はじめまして、サンサーラ星空が、ぬるい夜の中でキンキンと輝いていた。ぐうん、と背伸びをすると、無意識にうーん、と声が漏れる。それが面白くて、私は声を上げて笑った。「今何時ですか? ローカル」「はあ?! お前時計持ってんだろ、自分で見ろ」「めんどくさいんですよ……」ちょいちょい、と手招きすると、ローカルは素直にこちらに近づいてきた。その素直さで時間も教えて欲しいんですけど。「あの奇術団...

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